「2000万円報道に見る日本人の人生設計の杜撰さ」

定年退職後の生活を維持するためには年金に加えて別に2000万円程の資産形成が国民には求められるのだという有識者からの答申があったとの報道に初めて接したとき,私は,「またろくでもないことで騒いでいるなあ.2000万円って大体退職金と同じぐらいの額なんだから,退職金さえあれば良いんじゃないの」と思った次第だ.
まず初めに,言いたいのは,「日本人はちゃんと自分の人生設計しているのか?」ってことだ.
もししっかりと人生設計に取り組んでいれば,おそらく今の生活を維持するためには,支給される年金に加えて,いくらかお金を用意しないといけないだろうということは容易に理解しているだろう訳だし,そういった報道に動揺する必要もないのだ.
だから,銀行に騙されてろくでもないものに投資させられた挙句に退職金を溶かしてしまうのだ!ろくに人生設計していないから!定年退職後の生活を維持するためには必須な退職金を!
退職金という制度を前提に厚生年金の制度を(おそらく)設計したがために,厚生年金で定年退職後の生活を維持するためには退職金が必要ですよという卵が先か鶏が先か論争になってしまったのだろうな!
もういっそのこと,退職金の積立金をすべて確定拠出年金に鞍替えしてはいかがですか.騒ぐのなら!

[注] 自営業の方が主な加入者の国民年金は,自営業を65歳を超えても続けて収入が維持されるという前提で制度を設計しているようだ.